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古代の文献の中に住むドラゴン
古代の文献を見ると、ドラゴンは世界のどこの文化にも存在していたようです。初期文献の中のドラゴンは、イギリス、アイルランド、オランダ、古代スカンジナビア(ノルウェー人)、スカンジナビア、ドイツ、ギリシャ、ローマ、エジプト、そしてバビロニアに見られます。またアメリカインディアンのクリー族、アルゴンキン族、オノンダガ湖族、ヒューロン族、チヌーク族、サスワン族(Ojibway族)、そしてアラスカエスキモーの間にもドラゴンの伝説が存在しています。
オランダの“ボルスングスのジグルド”と“ファーブニル退治”は最も良く知られた物語でしょう。ジグルドは、巨大な足跡を見てきっとファーニブル(ドラゴン)か恐竜であると思い非常に恐れました。ジグルドは穴に隠れ良い時期を見定めると、水中を這うドラゴンの胸を射止めたのです。巨大な動物を射止める時、強い武器である尻尾と鋭い歯を避け、心臓を射止めるのが最も良い方法です。ドラゴンの巨大な体の中で頭、首、心臓は急所だったのでしょう。実際殆んどの恐竜が水の中に生息していた所から、ジグルドの話はきわめて現実的な恐竜退治を表現しています。
穴の中からドラゴンの心臓を射止めたジグルドは、ドラゴンから吹き出る血潮で溺れるのではないか恐れました。ドラゴンがいかに巨大であったかを物語っています。
傷ついたドラゴンが、ジグルドに交渉した話は、まさに装飾され尾ひれがついて伝えられたことに間違いはありません、しかし人から人に代々伝えられて行く間に尾ひれがついたことは考えられます。ジグルドの友達レギンはドラゴンの心臓を切り刻み、焼いて持ってくるようにと彼に頼み、それからドラゴンの血に触るとたちまち鳥の言葉を理解したと言っています。これも後から尾ひれがついて伝えられたのでしょう。しかしドラゴンに関しての初期の文献をみるとドラゴンはたびたび知識と関連しています。
ドラゴンに関してのオランダの叙事詩とイギリスの叙事詩ファーニブルのどちらのドラゴンも財宝を見張っていました。恐竜が宝を持ち去るのか、または恐竜の住みかには牙と積重なった宝の山があって古代の人々はそこに近づく事が出来なかったのかも知れません。どちらにしても、この伝説の源泉が同じであるかは知る由もありません。
ベーヲウルフのドラゴンも同じように口から火を吐き出し、夜の生き物で“滑らか”で“忌まわしい”悪と関連があると言われ、地上に住む人が皆彼を恐れていました。ファーニブルによると、ドラゴンの死体を測ると50フィートであったと言っています。
ドラゴンの歴史と民間の伝承
ドラゴン退治をしたギリシャの英雄は、ヘラクレス、アポロ、ベルセウスです。世界の辞書エンサイクロピディア(1973年)によると、“ドラゴンに関しての伝説は世界の殆んどの国で聞かれる”と言っています。古代スカンジナビア人(ノルウェー)の神話によると、巨大な銀色をしたユグドラシルの大きな木の根が全宇宙を支えていて、一つの根は死の入り口まで広がり、ニブルへイムとドラゴンは絶え間なくその木の根をかじっていた。全世界が必要な寛容は、もしかするとニブルヘルムかも知れません。ひょっとすると、彼らはノルド其語で言う恐竜、あの“忌まわしい”トカゲを意識し、または無意識に恐れていたのでしょうか? 昔のスカンジナビア人が恐ろしい恐竜に脅かされていたなら、このような伝説が伝わるのは容易に理解できます。
エジプト人は太陽の神レーに敵対するアベフィス(ドラゴン)の伝説と、バビロニアでは怪獣ディアマトの伝説、古代スカンジナビア人の間には、ラインゴールドの宝を見張っていたリンドブルム(ドラゴン)を殺した英雄ジィーグフリードの伝説があります。中国のドラゴンは力と、繁殖力と幸福に関連している事が、修道士ビィチンの文献に載っています。同時に当時の古代中国では陶器、初期芸術にドラゴンのモチーフがたびたび用いられていました。羽を持ったドラゴンは他の動物との混血であるかも知れません。ペルーの古代ナスカ文化の陶器に描かれた怪獣は人食ドラゴンのようです。
北アメリカ(カナダ)のブリデッシュ・コロンビアにある三つの湖、
(Sashwap,Cowichan,Tshingquaw)はTa Zam-aと言うドラゴンの住みかであると信じられていました。オンタリオ州Meminisha湖に住んでいる蛇のような魚はクリー族に恐れられていました。チヌーク族の間には、Angoubと Hiachuckaluckと言う角のあるドラゴンの伝説があります。
アイルランドの民話では、ドラゴンの存在が広範囲に認められ、“アイルランドの一部の動物学者もその存在を認めている”と自然主義者のロバート・リーロイド・プレジャーが言っています。彼の著書で、“アイルランド人にとって民話の中の海獣は彼らにとって身近なものである”ですからアイルランドの地名の多くがドラゴン信仰に関連していると述べています。
ドラゴンについての歴史 ・レ。シ・ク 4
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